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東電子会社を1年で新電力3位へ導いた女性社長

テプコカスタマーサービス長崎桃子社長の経営論 山根 小雪=日経エネルギーNext2018/06/15 11:00 1/3ページ  飛ぶ鳥を落とす勢いで新電力ランキングを駆け上がっているのが、東京電力エナジーパートナー(EP)子会社のテプコカスタマーサービス(東京都江東区)である。2017年7月に長崎桃子氏が社長に就任してから、わずか1年で販売電力量を約3倍に増やした。TCSを急成長させた長崎氏に経営方針を聞いた。(聞き手は山根小雪=日経エネルギーNext) 「目標は新電力ナンバーワン」と語るテプコカスタマーサービスの長崎桃子社長 ――そもそもテプコカスタマーサービス(TCS)とは、どんな会社なのですか。  TCSの設立は2013年7月。親会社である東電EPから受託している、電力の契約申込や料金計算、請求などがメインの業務です。約1700人の従業員がいますが、その大半が受託業務に携わっています。しかも、約1400人が有期雇用。残りがTCSのプロパー社員と東電グループからの出向です。  こうした人員構成の会社ですから、大手電力のグループ会社でありながら、「自前主義」の発想はありません。これがTCSの大きな特徴と言えると思います。  新電力事業を始めたのは2014年10月のことです。これまで東電エリア外の特別高圧と高圧の法人向けに限って、事業を展開してきました。エリア内は東電EPが担当しています。  東電エリア内に本社がある企業の他エリアの拠点に関しては、東電EPの営業担当者が窓口となることもあります。電力供給は域内がEP、域外はTCSが行います。ただ、この場合、請求書が2つに分かれてしまう問題があります。そこで、需要家から一括請求のニーズがあるときは、例外的にTCSが域内に供給しています。  家庭向けに関しては、東電EPが全国展開しています。このほか、東電EPと新電力パネイル(東京都渋谷区)の共同出資会社PinTや東電ホールディングス子会社のTRENDEなども家庭向けで全国展開しています。 ――新電力事業はどういった体制で展開しているのですか。  新電力事業に関わっている従業員数は、小学校の1クラス分プラスαくらい。かなり少ない人数で運営しています。東電EPからの紹介などによる直接販売のほか、代理店を通じて電気を売っています。  TCSは東電EPの子会社なので、東電EPと意見交換しながら事業を進めています。TCSは全国展開していますし、現場感は東電EPよりも持っていると自負しています。  小規模なTCSは何をするにも早い。競争の激しいエリアでは、どんどん状況が変わります。「マーケット状況が変わったからプランBに切り替えよう」という時に、組織が小さなTCSは意思決定プロセスがコンパクトで早いのです。東電EPなら戦略を変更するのに、あっという間に3カ月くらい経ってしまうでしょう。  人が少ないため、事業展開はどうしてもIT頼みになります。これが、さらにTCSを身軽にしてくれています。 この先は日経エネルギーNextの会員登録が必要です。日経 xTECH登録会員も