スポット価格高騰／新電力への影響懸念、中小の資金繰り悪化も

卸電力取引価格の高騰を受け、市場依存度の高い新電力への影響が懸念されている。ある新電力幹部からは「第２四半期で赤字転落する事業者が続出するだろう」という声が出始めた。取引所への支払いは、顧客から料金を回収する前に行うため、このまま高値で推移すれば、中小の新電力は資金繰りで苦労する恐れがある。

　新電力の間でも「１００円はさすがに想定外」と驚きが広がった。グロス・ビディングの進展に加え、今後のベースロード市場の創設や先渡し市場の活性化などによって、調達環境の改善は進みつつあるが、新電力幹部は「スポットという単一市場に依存せざるを得ない状況はいまだ変わらない」と指摘する。