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Googleアラートから新電力関連の情報を集約

マイルストーン2020/「電力自由化」総仕上げ 発電・送配電を法的分

大手電力会社に発電・小売り部門と送配電部門の別会社化を義務付ける改正電気事業法の「法的分離」が、2020年4月に実施される。発送電分離は11年に起こった東日本大震災の教訓も踏まえて、政府が進める電力システム改革の総仕上げ。大手電力会社が長年、地域ごとに発電・送配電を一貫して担って...

電力販売8年ぶりプラス、関電の19年3月期

関西電力は18日、2019年3月期の電力販売量が前期比2.0%増の1175億キロワット時になりそうだと発表した。プラスは8年ぶり。原子力発電所の再稼働に伴う電気料金の引き下げで、企業向けの契約を取り戻しているため。一方、新電力が強い家庭向けは8年連続の減少を見込む。

電力販売量のうち、企業向けの「電力」は8.2%増の795億キロワット時と伸びる。関電は東日本大震災後の原発停止を受け、2度の大幅値上げを迫られた。新電力に顧客を奪われたが、原発再稼働による値下げで価格競争力が高まっている。

家庭向けの「電灯」は9.1%減の380億キロワット時と振るわない。主な新電力は対抗値下げで関電よりも安値を維持している。関電はガスとのセット販売で割安感を打ちだしているものの、打開できていない。

JEPX=電力スポット取引の取引単位が変更、15日受渡分から100kW

日本卸電力取引所は14日、9月15日受渡のスポット取引分から取引単位を変更した。従来は、1,000kW(30分あたり500kWh)だったが、新たに100kW(30分あたり50kWh)となった。兼ねてより、新電力などから取引単位の大きさを指摘する声があったため、取引所ではこうした声に応じた格好。取引単位が小さくなったことで、無駄のない調達が可能となる。なお、当初予定では9月1日受渡から変更される予定だったが、システムなどの問題で半月遅れとなった。

日本気象協会、新電力向け「クラウド版電力需要予測システム」提供スタート

日本気象協会(JWA、東京都豊島区)は9月13日、新電力事業者などからの要望を受け、従来よりも少ない初期投資で比較的短期間で導入できる「クラウド版電力需要予測システム」のサービス提供を開始した。今後、2020年までに新電力事業者数十社への導入を目指す。

このシステムは、クラウドサーバ上で電力需要量を予測し、予測結果をオンラインで提供するもの。電力需要量は、「気象予報士のノウハウ」と「人工知能(AI)・機械学習の解析技術」を用いて予測している。

また、同サービスは、顧客からリアルタイムで受領した電力需要実績と契約電力量のデータに、日本気象協会の独自気象予測データ(全国各地の気温や日射量など)を組み合わせることによって、高い予測精度を実現した。さらにこの仕組みの導入により、同サービスでは需要想定作業の自動化・省力化が可能となり、効率的な需給管理が可能となる。

このサービスの予測対象は、電力エリアごとのエリア合算電力需要(単位:kWh)、予測間隔は30分ごと、予測期間は当日から翌々日まで。使用データは、需要実績データ(単位:kWh)、契約電力量データ(単位:kW)、予測対象エリアの気象予測データ(気温・湿度・日射量など)。その他オプション対応が可能だ。

クラウド化でより多くの顧客が利用しやすく

日本気象協会ではこれまで、主に大手電力事業者を対象に高精度な電力需要予測システムを、オンプレミス版として構築・運用してきた。「オンプレミス版」のシステムとは、電力事業者が管理する設備内にコンピュータを納入・設置し、運用するものをいう。

今回、新電力事業者などからの要望に応えて、クラウド化したシステムを開発した。クラウド版システムは、新電力事業者から電力需要実績データなどを受領し、日本気象協会が独自運用するクラウドサーバで作成した電力需要予測データを電力事業者に自動配信するもの。これにより、より多くの顧客が高精度な電力需要予測を利用可能になった。

10月1日にはじまる「間接オークション制度」、準備OK?

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、10月1日に地域間連系線の利用ルールに間接オークションが導入されることを受け、変更となる計画提出やルールなどに関する説明資料をとりまとめ公表した。

この資料は、過去の説明資料をまとめ、内容を整理したもの。間接オークションの概要、ルール変更概要、広域機関への計画提出、経過措置、混雑処理などについてまとめている。エリア間で電力を取引している事業者は一読しておきたい。

「先着優先」から「間接オークション」に

連系線利用ルールは、10月1日受け渡し分より、先着順で連系線の容量を割り当てている「先着優先」から、入札価格の安い電源順に送電することを可能とする「間接オークション」へ変更されている。現行の連系線利用に関わるものは、電源種別にかかわらず、すべて間接オークションに移行される。

TBSHD、再生エネ新電力と資本業務提携

TBSホールディングスは新電力スタートアップのみんな電力(東京・世田谷)と資本業務提携した。同電力は再生可能エネルギー電力の販売が主力で、TBSHDは株式の10%超を取得。全国系列局と連携して遊休地を活用した自主電源の構築を検討する。ESG投資など企業の環境対策に注目が集まるなか、災害時も電力調達できるクリーン電源の確保に動く。

TBSHDベンチャーキャピタル子会社TBSイノベーション・パート

新電力が停電割引、北ガス・いちたか

北海道ガス胆振東部地震に伴う全道停電への対応として、停電割引を実施すると発表した。各家庭の電気料金を1時間以上停電した日数に応じて1日あたり4%割り引く。北ガスの電気を利用している顧客が対象。大口の顧客に対しても停電期間に応じて割引する。

いちたかガスワン(札幌市)も停電割引を実施する。道内全域の電力顧客に対して、基本料金の2日分を減額する。2日を超えて停電となっている顧客には問い合わせに応じて個別に計算し、減額措置を行う。

北海道では全179市町村に災害救助法が適用されており、電気料金においても災害特別措置がとられる。北ガスやいちたかは割引措置に加え、8~10月料金計算分の支払期限を1カ月延長するほか、被災により全く電気を使用しなかった月の料金を全額免除する。被災に伴う復旧工事や電力切り替え工事の費用なども免除する。北海道電力も同様の特別措置をとる。

新電力の実態調査、4分の1以上が売上100億円以上、帝国データバンクが分析

帝国データバンクは9月、「登録小売電気事業者」に登録された全国508社(2018年8月9日時点)について、自社データベースである企業概要ファイル「COSMOS2」(147 万社収録)などを基に、都道府県別、設立時期、業種別、年売上高別、上場区分別等に集計・分析した結果を発表しました。

帝国データバンク、「登録小売電気事業者」に登録された全国508社を分析

2016年4月から始まった電力小売りの全面自由化に際して、「特定規模電気事業者」から「小売電気事業者」へと制度の枠組みが変更されました。全面自由化前までは、資源エネルギー庁への届け出により「特定規模電気事業者(PPS)」として参入が容易にできました。加えて、東日本大震災以降のエネルギー分野への注目の高まりとともに事業者数は急増しました。具体的には、2014年から2016年の2年間で約4倍もの増加をみせていました(2016年3月28日時点で799社)。

一方、2016年4月から始まった「小売電気事業者」ではライセンス制が導入されており、新電力事業への参入ハードルは上昇しました。このライセンス制により登録に際しては、PPSと比べると、電力供給量の確保など様々な要件を満たす必要が発生しました。

しかし、既に電力販売実績のある大手企業や、電力事業への意欲の高いベンチャー企業が参入するなど、競争は過熱しています。2016年4月1日までに小売り登録を完了した事業者は約200社ですが、それから2年半ほど経過した現在は約500社と、2.5倍ほどに増加しています。

このように登録数は増加傾向にある中、2018年8月8日には、福島電力が債権者からの申し立ての後に破産開始決定を受けました。制度変更前の参入ハードルの低い時期であれば、2016年3月に破産した日本ロジテック協同組合が注目されましたが、今回は全面自由化後のケースという事で、新電力会社の経営状況が注目されています。

こうした中、帝国データバンクは、「登録小売電気事業者」に登録された全国508社(2018年8月9日時点)について、自社データベースである企業概要ファイル「COSMOS2」(147 万社収録)などを基に、都道府県別、設立時期、業種別、年売上高別、上場区分別等に集計・分析した結果を発表しました。

設立時期、2010年以前が半数以上

2018年8月9日時点で経済産業省に届け出がある「登録小売電気事業者」は全国に508社あります。その内、設立時期を見ると、2010年までに設立された企業が269社(構成比53.0%)となり、半数以上を占めました。

全面自由化が始まる直前の2015年、事業者としての登録が必要になる事を受けて、新電力会社を新設する動きが急増しました。そのため、全面自由化前の2015年が、単年での設立社数としては64社(構成比12.6%)で最多となっています(図1)。

設立時期

図1 設立時期 出典:帝国データバンク

業種別、電力小売メインが約4分の1

508社の主業を帝国データバンクの分類する業種別に見ると、「電気事業所」「ガス事業所」「発電所」を含む「その他」(171社、構成比33.7%)が最多となります。以下、「サービス業」(71社、同14.0%)、「卸売業」(58社、同11.4%)、「小売業」(44社、同8.7%)と続きます。

業種の詳細を見ると、最多は「電気事業所」(123 社、同 24.2%)で、4 社に 1 社が主業としていることが判明しました。次いで「有線テレビ放送」(27 社、同 5.3%)、「石油卸」(23 社、同 4.5%)、「燃料小売」(23 社、同4.5%)、「ガス事業所」(20 社、同 3.9%)などが上位を占めました(図2)。

業種別分類

図2 業種別分類 出典:帝国データバンク

非上場が9割以上

508社の上場区分を見ると、未上場企業が463社(構成比 91.1%)にのぼり、90%を超えました。これに対し、上場企業は 45 社(同 8.9%)と 1 割未満に留まりました(図3)。

上場区分別

図3 上場区分別 出典:帝国データバンク

売上高100億円以上の企業数、PPS時代とほぼ変わらず

508社を年売上高別に見ると、「10 億円以上 100 億円未満」(127 社、構成比 25.0%)が最多となります。以下、「100 億円以上 1000 億円未満」(83 社、同 16.3%)、「1 億円以上 10 億円未満」(61 社、同12.0%)と続きます。全面自由化前のPPSと比較すると、年売上高100億円以上の企業数はほとんど変化がないのに対し、100億円未満の企業数は半数以下に減少しており、売上規模の大きい企業の占める比重が増している状況が分かります(図4)。

年売上高別

図4 年売上高別 出典:帝国データバンク

登録企業の約4分の3に販売実績あり

508社のうち、2018年4月の電力販売実績があるのは、みなし小売電気事業者を除くと374社(構成比 73.6%)です。PPSにおいては、2016年1月時点で販売実績があったのは全体の 14.8%であったので、その数値と比較すると、大幅に増加しています。ライセンス制の導入により小売登録のハードルが高まったため、登録全体に占める販売割合が高まったものと考えられます。

また、2016年3月28日時点で登録のあるPPS799社のうち、2018年8月9日時点で小売電気事業者への登録を済ませているのは、217 社(構成比 27.2%)に留まりました。残りの約4分の3は、全面自由化後に新規参入しているものと考えられます(図5)。

倒産学(573)福島電力 理念先行に経営体制伴わず・設立2年で破産

2016年10月に新電力会社として設立した福島電力は、18年8月8日に破産手続き開始決定を受けた。1月発売の会員制情報誌で取り上げられて以降、信用不安が表面化す...

電気の環境性やストーリーに注目を ― 「RE100」検討の企業向け新電力ガイド

企業活動で使用する電気を、再エネなどに変えることは環境経営の第一歩。電力の自由化が進み新電力が数多く登場する中でその選択肢は多種多様に増えている。そこで新電力の研究を行う京都大学プロジェクト研究員 稲垣 憲治氏にRE100の加盟やSBTを検討する企業向けの新電力の選び方について寄稿してもらった。

環境・社会・企業統治を重視するESG投資などの流れにより、持続性のある事業活動のため、環境性にこだわった電気の選択が拡大しています。その象徴は、企業が使用する電力を100%自然エネルギーに転換することを支援する国際的なイニシアチブ「RE100」への相次ぐ日本企業の加盟です。日本で初めてリコーが参加したのを皮切りに積水ハウスなどが続き、日本では大手7社が登録されており(2018年5月30日現在)、今後更なる増加が見込まれる状況です(世界ではアップル、グーグルなど約130社が登録)。これらRE100に参加する企業の多くは、温室効果ガス削減目標を設定しており、その一環として再エネ電気の調達目標を定め、RE100に参加しています。

表1 RE100登録の日本企業一覧

企業名 再エネ電力活用目標

株式会社リコー 2030年までに少なくとも30%、2050年までに100%

積水ハウス株式会社 2030年までに50%、2040年までに100%

アスクル株式会社 2025年までに本社及び物流センターで100%、2030年までに子会社を含めたグループ全体で100%

大和ハウス工業株式会社 2030年までに使用電力量を上回る再エネ供給(売電)を図り、2040年には当社グループの使用電力を100%再エネで賄う

ワタミ株式会社 2035年までに50%、2040年までに100%

イオン株式会社 2050年までに100%

城南信用金庫 2030年までに50%以上、2050年までに100%

電気の環境性の指標は、排出係数と再エネ率

環境性の高い電気の選び方の指標として、(1)排出係数(2)再エネ率があります。まず、排出係数については、毎年、環境省経済産業省が共同で小売電気事業者ごとの排出係数を公表しています。公表されている最新の2016年度実績では、6社が排出係数(調整後)ゼロとなっています。また、排出係数ゼロの電源を切り出し、電気メニューを作る動きも出てきています。例えば、東京電力エナジーパートナーが、大規模水力発電所を主力電源とした排出係数ゼロの電気として、高圧需要家向けの「アクアプレミアム」、低圧需要家向けの「アクアエナジー100」を販売しています。また、エネットもFIT対象となっていない小水力発電等のCO2排出係数がゼロの電気を活用した「グリーンメニュー」を限定的に提供しています。

次に、再エネ率については、各小売電気事業者が公表する電源構成から確認できます(電源構成は公表義務がないため、確認できない場合もあります)。例えば、プレミアムグリーンパワーは、ウェブサイトにおいて電源構成を「再エネ電源比率+リサイクル電源比率」94%(2016年度実績)と打ち出しています。

なお、FIT電気の環境価値は賦課金を支払う需要家に帰属すると整理されていることから、FIT電気の排出係数(調整後)は火力発電なども含めた全国平均の排出係数となることに注意が必要です。

北海道、節電本格化 厚真町で新たに男性1人が心肺停止

震度7を観測した地震で全域が一時停電となった北海道では10日、電力の供給不足を補うため、節電の取り組みが本格化した。経済産業省や道は住民や企業に2割の節電を呼びかけており、計画停電も検討している。官公庁や公共交通機関は照明の減灯や運行本数の削減などを始める。

職場などに向かう人たち(10日午前、札幌市中央区)

道によると、9日に新たに4人の死亡が確認されたほか、10日午前2時すぎ、厚真町で男性1人が心肺停止の状態で見つかった。道警は安否が分かっていない男性(77)とみて身元の確認を急いでいる。

これまでに死亡が確認されたのは厚真町の35人のほか、むかわ町新ひだか町苫小牧市、札幌市で各1人の計39人。負傷者は664人。2544人(9日午後10時現在)が避難所に身を寄せている。

全半壊した建物は計50棟に及び、安平町、平取町北広島市日高町むかわ町で避難指示が出ている。道内の断水は9日午後10時現在、5市町約8300戸まで減少したが、厚真町では全約2100戸で断水が続き、自衛隊などが給水支援を行っている。

高橋はるみ知事は9日の記者会見で、平常より2割の電力削減が必要とした上で「大変に厳しいが、計画停電や再度の停電が生じれば、復旧途上にある暮らしや企業活動への影響は大きい」と道民や企業に協力を求めた。

道や札幌市は所有する施設で冷暖房やエレベーターなどの使用を抑制。JR北海道は札幌と旭川、室蘭を結ぶ特急の一部を運休する。札幌市営の地下鉄や路面電車も日中に運行本数を減らす。

消費者にもおすすめ「小売電気アドバイザー」資格の受講料割引キャンペーン実施

RAUL株式会社は、8月末まで予定していた「小売電気アドバイザー」資格の受講料割引キャンペーンを、9月末まで延長すると発表した。

受講料が10%割引

「小売電気アドバイザー」は、「NPO法人 日本住宅性能検査協会」が管理・運営している資格で、正しい電力の知識や最適なサービスを選択するサポートができるスキルの証明だ。

資格取得に適した人材としては「電気小売り事業を行う企業の責任者・販売担当者など」「電力小売りに参入しようとしている企業担当者」「電力参入コンサルティングを行う人」「最もメリットを得られる電力選びがしたい消費者」など。

資格の取得は全5時間の講習参加とレポート提出をすることででき、講習では、制度全体に係る基礎的な知識から、顧客対応実務に必要な専門的知識までを学び、レポートでは、特定非営利活動法人日本住宅性能検査協会の評価で、一定水準以上の成績を収めることで資格が認定される。

資格試験の申し込みや会場の確認は「応募フォーム」ででき、受講料は通常29,800円で、受講料割引キャンペーンとして、「応募フォーム」の紹介元団体の欄に「エネルギー情報センター」か「新電力ネット」と記載することで受講料が10%割引の26,820円となる。

四国電力、イチゴ生産で新会社/農業振興へ担い手育成

 四国電力は7日、銀座千疋屋(東京都中央区、齋藤充社長)などと共に、香川県などで栽培されるイチゴ品種「女峰」の生産拡大と地域農業の担い手育成を目的とした新会社「あぐりぼん」を10月1日に設立すると発表した。社員数人を新会社に派遣し、提携する香川県三木町のイチゴ農家から栽培ノウハウを学ぶ。同日、銀座千疋屋の齋藤社長と共に会見した四国電力の佐伯勇人社長は「経験ない事業で未知数だが、将来的に四国の農業活性化につなげていければ」と思いを語った。

 今年12月には三木町で約8600平方メートルの生産施設に着工。来年12月に初出荷する。5年後に年間生産量30トン、売上高6千万円を目指す。

地域新電力事業に参入へ 県内自治体で初 民間販売は2年目以降 /宮崎

小林市が、市内で発電された再生可能エネルギーを買い取って事業者や家庭に販売する「地域新電力事業」に参入する準備を進めている。「電力の地産地消」といわれる地域新電力には全国で自治体の参入が相次いでいるが、県内での参入は初めて。資源エネルギー庁によると熊本県の小国町、鹿児島県の日置市いちき串木野市肝付町も取り組んでいる。

 小林市は昨年3月、100万円を出資して地域新電力会社「グリーンシティこばやし」を設立。今月の一般会…

猛暑も電力余力 節電、融通、再エネで

エアコンを夜通し動かしておかないと、命が危うい猛暑の夏-。それでも電気は足りていた。3・11の教訓を生かした賢い省エネ、そして電力融通の基盤整備が、エネルギー社会の未来を切り開く。

 七月二十三日。埼玉県熊谷市で国内観測史上最高の四一・一度を記録した猛暑の中の猛暑の日。東京都内でも史上初めて四〇度の大台を超えた。

 冷房の使用もうなぎ上り。午後二時から三時にかけての電力需要も、この夏一番の五千六百五十三万キロワットを記録した。

 それでも最大需要に対する供給余力(予備率)は7・7%。“危険水域”とされる3%までには十分な余裕があった。

 その日中部電力管内でも3・11後最大の二千六百七万キロワットに上ったが、12・0%の余力があった。

 東電も中電も、震災後に原発は止まったままだ。この余裕はどこから来るのだろうか。

 最大の功労者は省エネだ。計画停電を経験した3・11の教訓を受け止めて、家庭でも工場でも、一般的な節電が当たり前になっている。これが余力の源だ。

 そして、再生可能エネルギーの普及が予想以上に原発の穴を埋めている。猛暑の夏は太陽光発電にとっては好条件とも言えるのだ。

 むしろ最大のピンチに立たされたのは、昨年から今年にかけて四基の原発を再稼働させた関西電力ではなかったか。

 七月十八日。火力発電所のトラブルなどが重なって供給率が低下し、予備率3%を割り込む恐れがあったため、電力自由化を見越して三年前に発足した「電力広域的運営推進機関」を仲立ちとして、東電や中電、北陸電力などから今夏初、計百万キロワットの「電力融通」を受けた。

 3・11直後、東日本と西日本では電気の周波数が違うため、融通し合うのは難しいとされていた。だが、やればできるのだ。

 震災当時百万キロワットだった周波数変換能力は現在百二十万キロワット。近い将来、最大三百万キロワットに増強される計画だ。

 北東北では、送電網の大幅な拡充計画が進行中。地域に豊富な再生可能エネルギーの受け入れを増やすためという。

 地域独占からネットワークへ、集中から調整へ、原発から再エネへ-。電力需給の進化は静かに、しかし着実に加速しているのではないか。

 猛暑の夏に、エネルギー社会の近未来を垣間見た。