enenewsまとめ

Googleアラートから新電力関連の情報を集約

電力・ガス自由化、競争市場をつくる規制運用上の問題は? 政府が中間報告書

電力・ガス取引監視等委員会は、電力事業・ガス事業の小売全面自由後、それぞれ2年余、1年余が経過した競争の現状を踏まえ、電力・ガス市場における競争政策上の課題などについて検討してきた研究会の報告書(中間論点整理)を公表した。

この「競争的な電力・ガス市場研究会」では、今後、競争の促進を通じて、料金の低廉化をはじめとする自由化のメリットを最大化していくための規制運用上の課題、また、電気の経過措置料金解除の判断方法について、競争政策に関する理論的見地からの議論を行ってきた。同報告書は、2017年10月から8回にわたる、その議論をまとめたものだ。

今後、同報告書を踏まえ、経済産業省、特に、電力・ガス取引監視等委員会において、競争政策の観点からの具体的な政策措置が着実に検討・実行されることが期待されている。

小売市場、「長期契約」はどう規制する

小売市場における競争政策上の課題として、長期契約による市場閉鎖、旧一般電気事業者による差別的廉売、セット割引のみによる大幅な割引、全量供給を条件とした割引をあげている。

まず、長期契約による競争への影響は、自由化されたエネルギー市場における重要な検討課題だとした。ガス市場(電力市場でも一部)において存在が指摘される、長期契約を高額の違約金によって担保するような取引慣行は、事業法上は、需要家のために特別の投資を行った場合など例外を除けば、正当化は困難だ。このため、市場支配的事業者や市場における有力な地位にある事業者による長期契約に関する規制のあり方について、さらなる検討を求めた。

旧一般電気事業者による「取り戻し営業」、差別的廉売

一部地域の旧一般電気事業者において、新電力にスイッチングしようとする顧客や公共入札を行う顧客など特定の顧客に対し、非常に安い価格で小売供給を提案する「取り戻し営業」の事例が指摘されている。

これは、水力や石炭、原子力など可変費が安いベースロード電源について、固定費を少額のみ賦課することによって可能となっていると考えられる。一方で、新規参入者には、ベースロード電源の新設は一般に困難であるため、このような旧一般電気事業者の営業活動に対抗することは、非常に難しい。

電源アクセスに関するイコール・フッティング(対等の立場で競争できるよう条件を同一化すること)が確保されていない現状を踏まえ、こうしたケースを主に念頭に置きつつ、旧一般電気事業者が差別的廉売を行う場合における適切な規制を現行事業法のガイドラインなどで行うことを検討する必要があるとした。

電力・ガス取引監視等委員会は、電力事業・ガス事業の小売全面自由後、それぞれ2年余、1年余が経過した競争の現状を踏まえ、電力・ガス市場における競争政策上の課題などについて検討してきた研究会の報告書(中間論点整理)を公表した。

この「競争的な電力・ガス市場研究会」では、今後、競争の促進を通じて、料金の低廉化をはじめとする自由化のメリットを最大化していくための規制運用上の課題、また、電気の経過措置料金解除の判断方法について、競争政策に関する理論的見地からの議論を行ってきた。同報告書は、2017年10月から8回にわたる、その議論をまとめたものだ。

今後、同報告書を踏まえ、経済産業省、特に、電力・ガス取引監視等委員会において、競争政策の観点からの具体的な政策措置が着実に検討・実行されることが期待されている。