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楽天、電力小売で沖縄エリア進出 新電力不毛地帯に一石を投じるか

楽天(東京都世田谷区)は8月7日、沖縄における電力小売業に進出すると発表した。

高圧・特高は9月、低圧は12月から

同社は今後、沖縄エリアを中心に、低圧、高圧・特別高圧を利用する法人に電力供給サービスを提供する。沖縄電力沖縄県浦添市)が提供する「卸電力メニュー」を活用し安定的な電力の供給を行うとともに、楽天グループが展開する沖縄エリアの事業基盤や那覇支社のリソースを最大限活かし、電力を中心に幅広いサービスを展開していく。サービスの開始は、高圧・特別高圧電力は9月1日から、低圧電力は12月以降を予定。

同社は、2013年6月に電力を中心としたエネルギーソリューションサービス「楽天エナジー」を立ち上げ、2017年2月には、経済産業省資源エネルギー庁による小売電気事業者の登録を受け、電力小売業に本格参入している。今回の沖縄エリア進出により、法人向け電力供給サービスエリアが全国に拡大した。具体的なサービス概要は以下の通り。

サービス対象

低圧、高圧および特別高圧の電力を利用する法人顧客。

提供サービス

低圧、高圧および特別高圧の法人向け電力供給サービス「楽天でんきBusiness」。なお、2018年8月1日より、「iシェアリングサービス」は「楽天でんきBusiness」へ名称を変更。

対象エリア

沖縄本島と電力系統がつながっている地域。対象外となっている地域は以下の通り。

栗国島、渡名喜島久米島奥武島、オーハ島、北大東島南大東島宮古島池間島大神島来間島伊良部島下地島多良間島水納島石垣島竹富島西表島鳩間島由布島小浜島、黒島、新城島(上地)、新城島(下地)、波照間島与那国島

電力を起点に、グループ力を活かした事業展開も

沖縄電力が管轄するエリアは、2016年の電力自由化後も、東京電力関西電力など都市圏の市場と比較し新電力事業者の普及が伸びないのが問題となってきた。また、卸電力市場がなく電力切り替えの環境が整備されていないこともあって、これまで新電力の「不毛地帯」とされてきた経緯がある。

この状況は、「電力・ガス取引監視等委員会」でもたびたび指摘されており、状況を改善すべく、2018年4月に経済産業省主導のもと、沖縄電力が「卸電力メニュー」を新設。これにより、楽天エナジーなどの新電力事業者が負荷追従部分への電源として同メニューを活用可能になり、従来のベースロード電源部分である「常時バックアップ契約」に加え、同メニューをミドル電源として利用できるようになった。

同社は今後も「卸電力メニュー」などを活用し、安定的な電力供給や市場の活性化・電力自由化を推し進め、健全な市場の発展に寄与していくとしている。また、沖縄エリアでは、電子マネー楽天Edy」をはじめ、旅行予約サービス「楽天トラベル」、ゴルフ場予約サービス「楽天GORA」などを通じ楽天グループと関わりのある企業が多数あり、電力を起点とした幅広い業務提携も期待できるとしている。